数年前の話しだが、渋谷にある道玄坂を歩いていると『道玄坂小路』と書かれた看板の上に、犬のシルエットの様な物が目に入った。ふと「なぜこんな所に犬?」という疑問が浮かんだ。近くに犬に関するお店は見当たらない。もしかしたら犬では無いのかもしれない。看板の上の物体の謎を解明すべく渋谷区の自治会に問い合わせたところ、納得の答えが。看板の上の犬のシルエットは渋谷のシンボルである『忠犬ハチ公』をモチーフにしたものであるとのこと。ハチ公と聞くまでは道玄坂と犬が結びつかなかったが、渋谷駅の待ち合わせスポットと言えば『忠犬ハチ公像』で有名だ。(今やハチ公前で待ち合わせなどしないのかもしれないが…)考えてみれば、渋谷で犬といえばハチ公なのだ。
その他にも道玄坂にはハチ公をモチーフにしたマンホールも存在する。注意深く見ないとただの模様だと見落としてしまいそうになるが、マンホールの模様が犬になっていたり、道玄坂とかけて『DOG・EN・SAKA』と表記されている。いわゆる隠れミッキーならぬ隠れハチ公である。また渋谷ヒカリエの中にも『隠れハチ公』が存在する。ヒカリエの床にはひそかにハチ公柄のタイルが6枚あり、なかなか見つけ出せない。さらに渋谷駅の地下を端から端まで結ぶ渋谷ちかみちの中にも隠れハチ公がいる。施設内のラウンジの壁に隠れハチ公の絵が描かれている。その他にもいたるところにハチ公をイメージした足跡やシルエットが散りばめられている。
渋谷のハチ公と言えば『駅前の待ち合わせスポット』としてしか認識が無かったが、渋谷では町のシンボルとして長年愛されていることが感じられる。渋谷で『隠れハチ公探し』をしてみるのもおもしろい。